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大人の発達障害・ASD編|特徴・傾向チェックリストと生きづらさの解消法

公開日:

大人になってから発達障害の傾向があると分かる「大人の発達障害」。本人の自覚と、適切な対策がないと、特性による困りごとから「変わった人」「困った人」というレッテルを貼られてしまうこともあります。

この記事では、大人の発達障害のうち「ASD」をクローズアップしました。「大人のASDあるある」や、受診の目安になる簡易チェックリストを掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

大人のASDとは

「大人のASD」とは、発達障害の事例のうち、大人になってからASD(自閉スペクトラム症)があると分かったケースを指します。

「ASD(Autism Spectrum Disorder)」とは、主に対人コミュニケーションおよび想像力の発達の凹凸と、偏った興味・関心、強いこだわりを特性とする発達障害です。先天的な脳機能の違いが関係していると考えられており、現時点では根本的な治し方は存在しません。

これまで、ASDをはじめとする発達障害は、世間に広く認知されておらず、見過ごされることも少なくありませんでした。近年は認知度が比較的高まったものの、幼少期の受診につながらなかったり、経過観察だと判断されたりして、大人になってから初めて「発達障害がある」と診断されるケースもあります。

大人になるまでASDのような発達障害があることに気づかないままだと、適切な教育・支援を受けられず、特性が困りごととして表面化しがちです。自分では努力していても、周囲の理解が得られず、精神的に大きな負荷がかかることで、うつ病・適応障害といった二次障害を発症しやすくなるリスクも指摘されています。

とはいえ、大人のASDの症状を緩和する治療法や、対処法は存在します。特性による困りごとの改善・軽減のためには、早期の発見・治療開始と、適切な支援を受けることが重要です。

「大人のASDあるある」から特徴と傾向をチェック

以下では「大人のASDあるある」を基に、特性の傾向があるかどうかチェックできる簡易テストを用意しました。

ただし、本チェックリストで分かるのは、あくまでも受診の目安です。該当する項目の多かった方のほか、気になる症状があるときは、テスト結果にかかわらず、精神科や心療内科への相談を検討することをおすすめします。

生活・就労上によくみられる特徴リスト

ASDのある方は、生活・就労上でよく次のような困りごとを抱えていると言われています。

  • その場の空気から自分がやるべきこと・やってはいけないことをうまく判断できない
  • あいまいな指示が理解できない
  • 複雑な作業や手順があると混乱してしまうことがある
  • 一つのことに集中すると時間を忘れてしまう
  • 苦手・興味のないことには関心が持てない
  • 独自の強いマイルールがある
  • 予定が突然変更になると、対応できなかったりパニックになってしまったりすることがある
  • 時間感覚があいまいで、遅刻したり予定・約束を忘れたりすることがある
  • 光や音など、日常生活に支障をきたすほど極端に苦手な種類の刺激がある

こうした特徴は、程度の差はあれ、誰にでもあることです。しかし、特徴が頻繁かつ重度で、意識や努力だけではコントロールできず、日常生活や仕事に支障をきたしている場合は、ASDの特性である可能性があります。

人間関係上によくみられる特徴リスト

ASDのある方は、人と円滑にコミュニケーションが取りづらい傾向にあり、よく次のような人間関係の悩みを抱えていると言われています。

  • 表情やジェスチャーからでは、相手の言いたいことを正しく汲み取れない
  • 相手の気持ちに共感したり寄り添ったりすることが難しい
  • 相手が自分に期待している言動がよく分からない
  • 言葉を額面通りに受け取ってしまう
  • 意図せず行った言動で相手を傷つけてしまうことがある
  • 集団行動が苦手
  • 社会一般のルール・規則の遵守が難しいことがある
  • 会話のキャッチボールが苦手で仲間内の雑談にうまく入れない
  • 人間関係で孤立しがち

冗談や比喩、人の気持ちが理解できなかったり、いわゆる「空気の読めない」言動を取ってしまったりして、悪気はないのに周囲から孤立している、変わった人だと思われてしまいがちという場合は、ASDの傾向があるかもしれません。

外見上によくみられる特徴リスト

ASDのある方には、次のような外見上の特徴が現れることがあります。

  • 「視線が合わない」といわれることがある
  • 表情や感情表現が乏しい
  • 気持ちと表情が一致しないことがある
  • その場に応じたふさわしい表情・態度がどのようなものかよく分からない
  • 極端に潔癖もしくは無精な面がある
  • ファッションや髪型に独特のこだわりがあり簡単には変えない

前提として、ASDの有無は、外見や顔つきだけでは判断できません。しかし、脳の特性により、視覚情報の処理が苦手で刺激になっていたり、社会通念上の正確な状況判断が難しかったりすることで、それが視線や表情、態度に現れてしまうのです。

自分が大人のASDかもしれないと思ったときは?

これまでの生活や、上記の診断結果などから「自分は大人のASDかもしれない」と感じているときに試してほしい4つの対処法を解説します。

確定診断と継続した治療を受ける

大人のASDの傾向があると感じたときは、まず精神科や心療内科を受診しましょう。発達障害の診断・開示は義務ではありませんが、確定診断を受けることで、障害者手帳が取得できたり、より多くの障害福祉サービスを受けられるようになったりなど、支援の幅が広がります。

また、診断を受けるだけでも、これまでの生きづらさの原因が分かり、安心につながることもあります。生きづらさが軽くなったり、就労の選択肢が広がるきっかけになったりすることもあるので、悩みや疑いのある方は受診を検討してみてください。

ただ、お住まいの地域によっては大人が受診・検査できる機関が限られることもあるでしょう。その場合は、自治体の公式サイトや障害福祉・支援の窓口で、大人の発達障害や診断が受けられる病院の情報提供が行われていることがあるため、問い合わせてみることをおすすめします。

障害特性への自己理解を深める

障害特性の自己理解は、生きづらさを減らし、自分らしく生きていくためのファーストステップです。ASDの特徴を正しく知ることで、特性を独自の強みとして活かす方法が見えてきます。

例えば、一般的に、ASDのある方は、自分の興味のあることには素晴らしい集中力と創造性、記憶力を発揮すると言われています。実際に、歴史的な偉業を成し遂げた人物や、各業界の第一線で活躍している著名人の中には、ASDがある方も少なくありません。また、全体より細部に注目する傾向にあり、精密な検査やチェックが得意なので、そのスキルを活かして活躍できる可能性もあります。

ただし、一口にASDといっても、その特性や症状の程度は人によって千差万別です。個々の特性への理解を深め、自分は何が得意で不得意なのか、どうすれば苦手を克服できそうかを考えることで、向いている仕事・働き方を見つけ、自分らしく活躍できる可能性が高まります。

配慮事項を明らかにして周囲に協力を求める

ASDの困りごとを減らすには、自己対策に加え、周囲の協力も欠かせません。

現在、職場における合理的配慮の提供は、すべての企業・事業者に課される義務の一つです。しかし、個々に応じた適切な配慮を提供するには、障害のある方本人が、自らの障害を開示し、周囲に協力を求めることが前提となります。

自分だけではできないことを周囲にサポートしてもらうことで、無理なくはたらける可能性がぐっと高まるはずです。

悩みや情報を共有できる場所を見つける

ASDといった発達障害の特性による悩みやストレスの軽減には、気軽に話せる相手を見つけることが大切です。今の自分の気持ちを言語化し、誰かに話すだけでも、心が軽くなったり、すっきりしたりします。

しかし、発達障害に関することはデリケートな話題だというイメージが強く、誰にも相談できず、人知れず悩みを抱えている方も少なくありません。

同じ悩みを抱える仲間や、自分の気持ちを理解してくれる相手を見つけたいなら、障害者向けオンラインコミュニティに参加してみませんか。身近では出会えないような仲間がオンライン上に集い、悩みや意見、情報を交換し合っています。カテゴリごとに分かれた多彩なサイトが展開されているので、自分の悩みや要望に合わせて、利用を検討してみることをおすすめします。

大人のASD当事者の体験談から学ぶ!仕事でのつまずきを克服するポイント

ここでは、大人のASDのある方によく見られる困りごとと、それに関連する仕事でのつまずきや挫折を経験したことのある3人の当事者が、悩みをどのように克服したのかを紹介します。

周りの人にできることが自分ではうまくできない

20歳を過ぎてからASDと診断されたMさん。受診につながったきっかけは「一つの作業が完了するまで集中する」「物事のニュアンスを言葉にして伝える」など、周りの人は当たり前にできていることが、自分にはできないことに気づいたことでした。

大きな転機となったのが、30代に入り、障害者雇用枠での就労を選択したことです。障害者手帳を取得し、dodaチャレンジの支援を受けて転職活動を進めた結果、大手企業の支社の内定を獲得しました。現在は、無理のない距離感で理解と配慮を得ながら、自分らしくはたらけているそうです。

生きづらさやストレスで二次障害を発症する

TさんにASDがあると診断されたのは、40代になり、うつ病で受診したときでした。生きづらさの原因がASDにあることが分かり、特性への理解を得ながらはたらける障害者雇用の仕事への転職を決意。dodaチャレンジを利用して転職活動を進めた結果、特性である過集中(特定の作業に過度に集中する状態)や感覚過敏に対応するための補助ツールが活用できる職場への転職に成功しました。

転職後は、自分にとってやりがいのあるサポート業務に従事しています。適切な環境調整によって心にゆとりが生まれ、今後は新しいことに挑戦していきたいと考えられるようになったそうです。

障害を受け入れられない

職場の上司からの指摘が受診のきっかけとなり、ASDだと診断されたKさん。診断された当時は、障害があることをうまく受け入れられず、今後の生き方や仕事が不安でたまらなかったそうです。

自分の特性を受け止められるようになったのは、障害者手帳の取得と就労移行支援事業所に通所する中で、じっくりと障害理解を深めたことがきっかけでした。dodaチャレンジのキャリアアドバイザーの支援も受けつつ、特性を踏まえて転職活動を進めた結果、満期のあるパートの仕事を経て、大手企業の時短勤務ではたらくことに。現在は、フルタイムの正社員へのステップアップを視野に入れ、楽しいワークライフを送っています。

焦りは禁物!仲間やサポーターを得て自分らしい生き方・働き方を実現しよう

大人のASDがある方には、独特な強いこだわりや、コミュニケーション力の凹凸など共通する特徴があります。こうした特徴により、日常生活や仕事に支障をきたしている場合、ASDの特性によるものかもしれないので、精神科や心療内科を受診してみることをおすすめします。

受診の結果、ASDがあると診断されたときは、その事実を受け入れるとともに、周囲の理解を促す工夫を凝らすことが大切です。まず何から取り組めば良いか分からないと悩んでいるなら、障害がある方のためのキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」で相談してみませんか。大人の発達障害の当事者や、同じような悩みを持つ仲間とつながり、体験談やアドバイスを聞く中で、改善のヒントが得られるかもしれません。無料・匿名で参加できますので、まずはお気軽にご登録ください。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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